英ポンド/円相場は、153円台まで値位置を切り上げる展開になっている。7月25日に4~6月期の国内総生産(GDP)発表を控えているが、ユーロ/円相場の堅調地合と連動してポンド/円相場も地合を引き締めている。17日に公開された金融政策委員会(MPC)の議事録で追加緩和に対する懸念が後退している一方、欧州債務問題が蒸し返されるリスクも低下していることが、ポンド相場に対してポジティブに機能している模様だ。
MPC議事録では、これまで資産買い入れ枠の拡大を主張していたメンバーが、その主張を取りやめたことが確認されている。実際には、これは8月のMPCでフォワードガイダンスの導入を条件としているため、特に緩和スタンスが後退した訳ではない。例えば、直近の英失業率は7.8%と高止まりしているが、フォワードガイダンスでは6.5~7.0%水準に改善するまでに引き締めが行われない方針が示される可能性が高く、英低金利政策の長期化見通しは決定的な状況になる。ただ、資産購入枠の拡大という量的な緩和政策は一応のピークを確認した可能性が高くなっていることが、ポンド相場の下値不安を後退させている。ここで4~6月期のGDPが1~3月期から上振れしていることが確認できれば、ポンド/円相場は155円の節目突破を試す可能性も十分にあるだろう。
もっとも、ポンド/円相場上昇シナリオは、ドル/円相場の再上昇が実現するか否かに強く依存することになる。引き続きドル/円相場は強気方向でみているが、1ドル=100円の節目を上放れするまでは、ポンド/円相場の上げ幅も限定されよう。
今後1週間の予想レンジは、152.00~155.50円。